『低温期・高温期を知ろう』
女性の基礎体温(朝めざめたとき、起床前に安静状態で、舌の下で測った体温)を体温表につけてグラフをつくりましょう。
月経開始日から次の月経開始日の前日までを1周期とすれば、周期の前半に比べて後半は0.3~0.5℃ほど高い基礎体温になるのが正常です。
周期の前半の低温期は、卵巣内では卵胞が発育し、子宮では内膜がはがれ落ち、再生する時期(月経期と卵胞期)にあたります。
後半の高温期は、卵巣内では排卵後の卵胞が黄体になり、子宮では内膜に分泌液が蓄えられる時期(黄体期)にあたります。
周期後半に基礎体温が高くなるのは、黄体から分泌される黄体ホルモンによって子宮内膜にある分泌線の働きが活発になり、このため血液の供給が促進され、全身の物質・エネルギー代謝が活発になるからです。

『視床下部-脳下垂体-卵巣のホルモン分泌が順調にいくように』
妊娠・出産を待ち望んでる女性にとって、はっきりとした高温期が現れることが絶対に必要です。
受精卵を確実に着床させ、胎盤形成までの養育を維持し、流産を防ぐためです。
低温期から少なくとも0.3℃の差がある高温期へ1~2日で急激に移行し、10日以上安定的に維持しなければいけません。
はっきりとした高温期があれば、脳の視床下部-脳下垂体-卵巣からなるホルモン分泌系がしっかりと働き、卵胞成熟-排卵-黄体形成という一連の過程が順調に進んでいることを示しています。
漢方では、この黄体期(高温期)には、ホルモン分泌系の働きを改善し、腎の機能を高め、陽(活動性を高める機能)を補う補陽薬を用いて、妊娠・出産に必要な条件を作っていきます。