『陰から陽への転化をとらえよう』
女性の体を中国漢方では、7の倍数で変化し、7×2=14歳で初潮を、7×7=49歳で閉経を迎えると考えています。
この変化は中国漢方での腎の機能が一定レベルに達すれば、初潮を迎えることができ、49歳前後で腎の機能が衰えて、閉経となるのです。
このことから腎の気(エネルギー)が一定のレベルに達していなければ、妊娠はできません。中国漢方で「腎は生殖の本」といわれる理由です。
女性の生理周期は、「蓄える時期(蔵)」の卵胞期と黄体期と、「排出する時期(瀉)」の排卵期」と月経期の2つの状態からなっています。
蓄える時期には、腎のしっかりと蓄える(封蔵)の作用と脾の漏れないようにする(固摂)の作用により、卵胞の成熟と子宮内膜を栄養を含んで柔らかい状態にさせます。
排出する時期は、肝の疏泄(伸びやかなエネルギーの代謝調節)の働きによって、しっかりと排卵し、月経血などをきれいに残さずに出します。
中国漢方では人体を陰と陽の二元論で説明することがあります。女性の生理では卵胞ホルモンを陰と考え、黄体ホルモンを陽と考えます。
月経期から卵胞ホルモンが増え始め、卵胞期にさらに分泌が増えて、その分泌が最大になって排卵し、つまり月経期から陰が増え始め、さらに卵胞期には陰が増え、排卵期に陰が極まって、陰が陽に転化します。
黄体期には黄体ホルモンの分泌が増え始め、最大に達したときに月経となり、つまり黄体期に陽が増え始め、月経期に陽が極まって、陽が陰に転化すると考えています。
不妊症周期療法はこの西洋医学の生理メカニズムと中国漢方の陰陽転化のメカニズムを組み合わせてできたものです。